書評「ビューティフル・ネーム」

 

ビューティフル・ネーム

ビューティフル・ネーム

 

 薄くてすぐ読めた本だけれど,内容はなかなかおもしろかった。

書評とはいえ,ネタバレするとこれから読む人がおもしろくなくなるので大変だな…。

中学生女子の揺れる気持ち,ひとりぼっちの気持ち,スクールカースト上位の子についていかざるを得ないこの気持ちの揺れがよく描かれていた。

と同時に,研究者というものについても考えさせられた作品だった。論文,論文,発表,論文,出世,出世,…目指したい人は目指したらいい。けれど,もともと研究というのは「何かやりたいことがあって,それを地道に追求していくものではないか」とも思い,そういう人が花開く世の中であってほしいとも思った。