書評「ひみつ」

 児童文学の中でいちばん惹かれている福田隆浩氏の作品

ひみつ

ひみつ

 

 …ネタバレにならない書評は難しい。

とにかく,主人公の強さに心動かされる。おかしいことをおかしいと言う強さ。いじめはなかったことにしたい教師,学校にも果敢に立ち向かう。そのことでいじめのターゲットになっても主人公は強い。

いじめについて…最近のリアルな現場を知らないのであまり偉そうに言えないけれど,いじめのターゲットになったらどうしようとは子どもはみんな思っているはずで,傍観することもいじめへの加担だと考えているはずで,でもどうしようもない気持ち,「やめようよ」と言えない気持ち。うまく掬い取った作品でした。