ドラえもんと居場所

突然だが星野源の「ドラえもん」は名曲だと思う。
もともとは息子が運動会で踊るので聞き始めたが、最近元気がないときにいつも歌っている。
まず、ドラえもんの主題歌に「ドラえもん」とタイトルをつけるのがすごい(「ぼくドラえもん」でもないし「夢をかなえてドラえもん」でもない。単に「ドラえもん」)
そしてよく聞くと歴代のドラえもんのメロディーが使われていたりする(「「あったまてかてーか さえてぴかぴーか」のメロディーとか)。
歌詞もストレートにキャラクターのことを歌わないけれど2番の「拗ねた君も 静かなあの子も 彼の歌も 誰かを救うだろう」は明らかに主要キャラだ。
何者でもなくても世界を救おうと歌いあげられる。
ここにおいでよ 一緒に冒険しよう 何者でもなくても世界を救おう と
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居場所がない とずっと思っていた。し、今でもそう思っている。家族の中でもあんまり…。家の事務的なことはやるけれど、実質家庭を動かしているのは夫だし、息子も夫の方に懐いている気がする。
本業の研究もできることはしているけれどなかなか進まない。
居場所は作ることができる。最近新しい居場所ができた。
もしかするとそこは永遠の居場所ではないかもしれない。複数の居場所が人間には必要なのかもしれない。
そこで、自分のできることをしようとしたりすることで、笑える時間も増えたし、家庭でも少し明るくいられるようになった。心身の健康も少しずつ取り戻しつつある。
誰も何者でもない。けれど、誰もが何者かである。
ここにおいでよ一緒に冒険しようやってみようと誘ってくれた仲間がいた。仲間とつながれた。冒険している。どこへ辿り着くかは知らない。
でも、私は信じている。輝く未来へ辿り着くのだと。誰もが輝く未来へ辿り着くのだと。
私は、いま、一見、ごく当たり前の日常にいるし一応の社会生活を営んでいるが、そこへ辿り着くのが心身の疾患のために難しい人もいる。社会に居場所のない人もいる。
精神疾患は甘えではない。努力で改善するものでもない。社会にたどり着くのが難しい人もいる。精神病院やメンタルヘルスケアに1本電話をかけるのも難しい人もいるし現実予約待ちが多い。
その人たちも生きやすい社会ができたら、それはいわゆる「精神疾患を抱えない人」にとっても生きやすい社会であるはずだと信じる。
ガジュマルという名の船に乗って、幸せという名の海に漕ぎ出そう。お菓子もチョコレートもお団子もスコーンもごまペーストもジェノベーゼパスタも、美味しいものをいっぱい積み込んで、お酒もちょっと積み込んで。