書評「小やぎのかんむり」

 

小やぎのかんむり

小やぎのかんむり

 

 市川朔久子さんという作家さんに最近惹かれていて,いくつか作品を読んでいる。正直,最初は話が見えなくて,退屈な気がしていたが,途中から一気に読んでしまった。

親子とはなんだろう,子どもにとって居心地のいい親とは…と思いながら読んだ。一方,親の方も子どもにとってという気持ちがあり,でも親も親の感情や思いがあり,世間体のためにいいかっこうしたり,この子はこんないい子なんですよと言ってみたり。子どもも親に言えないことがあったり。

我が子はまだ5歳だが,大きくなったら,「親に隠し事をしたいときもある」ということを覚えておきたいと思った。子どものことをなんでもかんでも知ろうと思わないで,親に言えない気持ちもあるんだろうと。

結局,親ってなんだろうな。産んでハイ終わり,ではない。

あと,「それは必要な我慢なのか,しなくてもいい我慢なのか」という途中で出てきたセリフが印象に残った。

(ヤギと関係ない書評になったが,ヤギ,作品の中で重要な役割を果たします)