書評「手のひらの音符」

 

手のひらの音符

手のひらの音符

 

 初読みの作家さんでしたが,とてもよく,この作家さんの本を全部制覇したい気持ちになりました。良かったです。ネタバレせずに書評を書くのがすごく難しいのですが,気持ちが暖かくなります。

印象に残った言葉

「人によって闘いかたはそれぞれ違うんや。だから、自分の闘い方を探して実行したらええねん。」

「悠人は悠人なりの。信也は信也なりの。水樹ちゃんは水樹ちゃん、おれはおれ。自分にあったやり方を見つけたら、とことんそれをやったらえいや。無理することがないって」

闘い方を生き方に言い換えてもいいかもしれない。人生はある意味戦いだと思うから。

いま,私は自分の軸がないなということで悩んでいて,すぐ他人に影響されてぶれて,嫌だなと思ったこともここで断ると角が立つなと思ってしたがって,そんなこと最初から思ってなかったもん,みたいな心もちに悩んでいる。

たとえ他者の思うとおりに一時なったとしても,「自分の意思があるけれど,ここはあえてそうした」と,「自分の意思はないけれど流されてそうした」では,違うよね…。

主人公たち,みな複雑な家庭環境で育ってきた。その中で見える一筋の光,そういうものを感じました。

というか前投稿にも重なるけど,登場人物みんな一生懸命生きている人。

 

こちらも良かったです。登場人物の生き方は決して器用だとは言えないけれど

 

いつまでも白い羽根 (光文社文庫)

いつまでも白い羽根 (光文社文庫)