書評「ふたり」
2014年度の課題図書だったらしいが,この本で「学校の先生に気に入られるような読書感想文」を書くのはかなり難しいのではないかとも思う。
Amazonになんとなくの内容紹介が書いてあるが,小学生の恋心の話でもない,いじめの話でもない,「本が大好きな二人の淡い恋と友情の物語」とは書いてあるけれど,それだけでもない,という作品だった。
素敵な本だったのは確か。小学6年生という時期の,主人公ふたりだけでなく(ほんとに「ふたり」の話なので「ふたり」というタイトルはどんぴしゃだと思う),周りのクラスメートのこころの揺れ,行動の奥にあるこころ,6年生ならではだと思った。
小学校からの卒業,すなわち子どもからの卒業,でも大人でもない,大人と対等ではなくまだまだ親にいろいろ言われたり親にしたがったり,その中で,ふたりだけの世界を築き,すすんでいく様子がとてもよかったです
このふたりの今後が気になるけれども,きっとそれぞれの世界でのびやかに大人に向かって進んでいくに違いないと思います