雨の匂いと身体感覚

「雨が降るかも,降らないかも,あぁこれは間もなく降るなぁやっぱり」というときの匂いが好きだ。この匂いがすると「今日は早めに帰ろうかな」と思ったり,帰れないときは濡れる覚悟をしたりする。降っている最中はそんなに感じないが。

Googleで検索すると,ペトリコールとジオスミンという物質の匂いらしいが

matome.naver.jpそうわかると途端にロマンが失せるが…。まぁ無理にロマンにせんでええか…。いやでも,名前がつくとなんか違うぞ。

匂いというものは割と感じやすい感じにくいに個人差があるような気がして(それは匂いに限らないか),私の母は鼻がよくきいて匂いにも敏感だったので,思春期には汗臭いとか言われてけっこうショックであった。

話が横道にそれたが,身体のあらゆる感覚を総動員して使って自然を感じることは,特に子どものうちは,いや大人になっても,大事なことだと思う。雨の匂い,風の匂い,べたっとした感じ,からっとした感じ。

いまどきは「雨雲ズームレーダー」という便利なものがあって,私の配偶者などはこの雨雲ズームレーダーの愛用者で,私もたまに使うが,それも「自然を感じたうえ」で使うもので,雨雲ズームレーダーがないと雨が近いかどうかわからない,というのは,なんだかなぁと思う。

私は大学で非常勤講師としてたまに教えることがあるが,ごく最近,「最近の学生は,雷について,”ピカッ”と光ってから”ドーン”と音がする感覚が短いと雷が近いということを知らない」と他の先生が話すのを聞いた。もちろん,全部の学生(若者)がそうではなく,ある特定の人たちがそうで,もしかしたら知っていても言えなかった学生もいるのかもしれないけれど,その話をしたら割ときょとんとした顔をしていたそうである。

小さい時から自然にふれて過ごすのは大事だなと思いながらも,都会育ちであると,無理にでも自然の中に連れて行かないといけないというのが難儀なところである(私自身は都会育ちではあるが周りにまだ空き地や田んぼが残っていた)。