子どもをもつこともたないこと

こんにちは。突然ですが,ちょっと腹を立てていいですか。

www.asahi.comネット上のコメントを読んでいると,「安心して子どもを産み育てられる社会をつくっていない政治家が何をいうのか」という反応もある。

 まぁ確かにそれも一理。それから,結婚するもしないも個人の自由,女性を子どもを産み育てる機械としかみていない,という反応もある。

 私は別の意味で悲しい。

ネット上にも同じ意見がちらほら見られるが,「子どもをもつことを望んでいるが,それがかなわない女性もいる」ということだ。

個人的なことになるが,私は結婚できるとも思っていなかったのだが,ひょんなきっかけで結婚し(今は夫婦関係のあり方に悩んでいるのだがひとまずそれはおいておいて),結婚したからには子どもをもちたいな,と思った。それこそ,博士論文執筆・博士号取得,研究者としての就職よりも,子どもをもつことを切望していた。

月のものもきっちり来ていたし,婦人科的な問題がある自覚もなかったのに,その気配すらない。子どもをもたずに夫婦2人の人生も考えかけたときに,お腹に宿ってくれたのがいま4歳8ヵ月になる愛する息子である。そして,もう1人の我が子を望んではいるが,おそらく年齢的にも私のキャパシティとしても,厳しいと認識している。

「いくら努力しても子どもに恵まれない方がおり」とこの議員はおっしゃっている。そのつらさを想像したことはあるのか。

昔に比べればずいぶん「子どもを持ちたくても持てない」への風当たりは弱くなっているとは思う。でも,やはり,「子どもを持ちたくても持てなくてあきらめた」方々に何人かお会いした私は,黙ってはおれない。

友達の突然の「昨日産まれました♡」メールに涙したあの日。

子ども乗せ自転車を見るのもつらかったあの日。

「あきらめた頃に授かるのよ」「頑張り過ぎてるんじゃない?」「今まで頑張って頑張って,あなたはいい学校に入って大学院にも行って結果出してきたじゃない。妊娠するというのはそういうことではないのよ」という言葉に傷つきながらも,言い返せなかったあの日。

私は忘れない。

もしかしたら,1度,子どもをもつことをあきらめたからこそ,いま「いいお母さんでなければならない」というプレッシャーに苦しんでいるのかもしれない,私。妊娠中はものすごく神経質になった。重いものを持って下腹が痛んだだけで不安になった。風疹が流行していたので外にも出なかった。

その前に,個人の生き方に干渉するような発言をしている時点で上記の政治家はおかしいのだが。

その年頃の女性に「結婚はまだ?」

結婚したら「おめでとう! 子どもはまだ?」

ひとり産んだら「2人目はまだ?」

言う方は悪気があって言っているのでなく,時候の挨拶と同じように言っているのかもしれないが,悪気がないからいいわけでは決してない。結婚したくてもできない状況の人々,結婚しない自由,子どもをもたない自由。人それぞれなんだと。どう生きてもそれが自分の人生だということ。

あー。うまく書けないけどもやもやする~。あなたもわたしも人間なんだよ。人間である以上,いろいろなことを言われるしいろいろな人と関わるしいろいろあるけれど,自分の生き方は自分で決めるんだよ。

その政治家には「そういうお考えなんですね。わかりました。ありがたく拝聴いたします」以上終わり。腹の中には「政治家がそんなこと言いなや!」とは思うことは思う。