書評「ドリームプロジェクト」「ひみつの校庭」「フラダン」

 まとめて書評

ドリーム・プロジェクト (わたしたちの本棚)

ドリーム・プロジェクト (わたしたちの本棚)

 

 中学生がクラウドファウンディングをする話。私はこの濱野京子氏の作品がとても好きだ。できすぎと思われるところもないではないが,中学生が力をあわせてひとつの目標を達成しているのは良かった

 

ひみつの校庭 (ティーンズ文学館)

ひみつの校庭 (ティーンズ文学館)

 

 少し不思議な話。植物の力,見えないものの力を感じました

 

フラダン (Sunnyside Books)

フラダン (Sunnyside Books)

 

 昨年?の課題図書とのこと。単なるフラダンスの話でなく,フラダンスをする男子の話にとどまらず,「いろんな人がいろんな立場でいろんな気持ちを抱えていること」「それをおもてにあらわす方法は人それぞれであること」を実感させられた素晴らしい作品でした

書評「その景色をさがして」

 表紙がすべてを物語っている,という感じでした。

その景色をさがして (わたしたちの本棚)

その景色をさがして (わたしたちの本棚)

 

 主人公のおかれた境遇はのっけからいきなりハードである。悲しみに耐えながら,「その景色」のことを思い,その景色にたどりつく過程,周りの大人たちの気持ち,周りの大人たちの気持ちを慮る主人公。部活でのトラブルや嫉妬も織り交ぜて,「その景色」にたどり着く,素敵な物語でした。

ネタバレしないでの書評は難しい。

書評「たんぽぽ先生」

 私が子どものころから,学級づくりや先生についての物語を書いたら素晴らしい,宮川ひろ氏の「たんぽぽ先生」三部作

  

 

 こんな先生がいたらいいなぁ,と思いながら読みました。1,2,3となっているのは,1学期,2学期,3学期。問題児とされる子どもに対しても決して問題視しないたんぽぽ先生。ひとりひとりの子どもをよく見て,徐々にクラスの結束が強まっていく様子がよくわかります。そして「あのね帳」。口では言えなくても個人ノートで「先生あのね」と書くことでやはり子どもは救われるんだろうなと思いました。

いまの小学校の教育現場にはたんぽぽ先生が存在しうるような余裕があるのかなとも少し思いました。

 

現在の世の中と子育て方針について

台風,地震,日本では大きな災害が続いている。
台風では私の近隣地域も多少の被害があった(我が家は無事であった)
それについてあえて写真を載せたり状況を書いたりしないのは
自分の中で消化しきれてないからである。

息子に対する子育てについては相変わらず試行錯誤中である。
5歳になり,人間対人間としてのやりとりができるようになってきた。
自分のことは自分でできるようになってほしい。
こんな人になってほしい,あんな人になってほしい,などは
ないことはないが,私は息子が生きているだけで嬉しく
息子は私の宝物だと思う。
宝物だから,あえて手を出さない。見守る。
自分のすべきことは自分でさせる。
近親者だからこそ,自分は自分,相手は相手という線引きが必要だと思う。
今は,彼が自分でできないことが多いので手伝ってはいるものの。

もしかすると,勉強ができます,いい学校に入りました,
エリート街道まっしぐらです,というよりも,その方が大事かもしれない。
そして,いつどのようになるかわからない(実際,地震も台風も突然であった)
現在の世の中だからこそ,自分の力でなんとかして自分で生き伸びる力を
身に着けることが,大事なのではないかと考える。

 
 

書評「ひみつ」

 児童文学の中でいちばん惹かれている福田隆浩氏の作品

ひみつ

ひみつ

 

 …ネタバレにならない書評は難しい。

とにかく,主人公の強さに心動かされる。おかしいことをおかしいと言う強さ。いじめはなかったことにしたい教師,学校にも果敢に立ち向かう。そのことでいじめのターゲットになっても主人公は強い。

いじめについて…最近のリアルな現場を知らないのであまり偉そうに言えないけれど,いじめのターゲットになったらどうしようとは子どもはみんな思っているはずで,傍観することもいじめへの加担だと考えているはずで,でもどうしようもない気持ち,「やめようよ」と言えない気持ち。うまく掬い取った作品でした。

決意

どんなにつらくても,どんなにしんどいことがあっても,生命より尊いものはない。

生き続けよう。生きよう。

明日のことはわからない。心配しても,わからない。だから,今を生きる。

夢をもって,生きる。

その夢とは,世の中の人,すべてにとって,つらいことしんどいこと悲しいことそのすべての経験が,ポジティブ心理学でいうところの“希望”によって,宝となり力となり,もっともっと幸せになれること,そのための研究をしたいということ。

書評「なみきビブリオバトルストーリー」1・2

 てっきり続き物だと思って読んだら,作者が同じで(複数),共通する登場人物は図書館の司書さんくらいだったので,どちらかだけ読んでもどちらから読んでも大丈夫だと思う。

なみきビブリオバトル・ストーリー

なみきビブリオバトル・ストーリー

 

 

なみきビブリオバトル・ストーリー2: 決戦は学校公開日

なみきビブリオバトル・ストーリー2: 決戦は学校公開日

 

 ビブリオバトルに参加することにした小学生の本,ではあるのだけれど,1は舞台が公共図書館で,2は舞台が学校だという違いはある。流行りなのかな?ビブリオバトル,および,小学生がビブリオバトルをすることが。

この本を読んでも,ビブリオバトルの勝ち方はわからないが,それぞれの子どもがビブリオバトルに望む心もちがいろいろで(当然だけれど)それがとても興味深かった。本選びに悩み,いかに発表するか悩み,本番では緊張する。それがそれぞれの子どもによって違っていて。

ビブリオバトルでも,これはプレゼンテーション一般にも言えそうなのだけれど,利き手の興味をひくには,思いを込めることなのかなと思った。自分がこのプレゼンテーションを通じて言いたいことは何かを言う。それがビブリオバトルの場合,自分がこの本のどこに一番惹かれたかを伝えることなのかなと思った。

途中途中で出てくる本は実在する本のようで,そちらも読んでみたいなと思った。